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(4) 天体の水平線上の高さ 図7・3

天体(太陽、星など)の水平線上の高さを測定すれば、サッカーボールにお茶筒を被せたとき、お茶筒の端がボールに当たる所が円になるように、地球表面に円となって位置の線が得られる。地球は非常に大きいので部分的には太陽の方位に対して直角な線に近似できる。

 

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図7・3 天体の高さの等しい円

 

7・1・2 実測位置、推測位置、推定位置

上述のような位置の線の二本以上の線の交点として得られる位置は、いずれも実測された位置の線の交点であることから、実測位置といわる。

実測位置から針路を定めて航行し、ある速力である時間航走したならば、針路線上で航走した距離(航程という。)円との交点として、現在の位置が推測される。この位置は、針路線上といっても実際には右や左に偏向しながら(ヨーイングという。)航行し、しかも風波や潮流の影響も受けているので、実際の位置とはいわず推測位置(dead reckoning Position デドレコ)といっている。この間に受けた風波や潮流の影響を推量して修正した位置を、実測位置や推測位置と区別して推定位置といって区別することもある。

実測位置の緯度と経度に、針路と航程に応じた緯度の変化量と経度の変化量を加減すれば、現在の推定位置の緯度と経度が得られることになる。

一方地球の上に描いた緯度の線と経度の線を見ると分かるように、図7・4のように赤道附近では南北方向に60浬移動すると緯度が1度違い、東西方向にでも60浬移動すれば経度は同じく1度違うように、緯度差の度数に対する地球上の距離と経度差の度数に対する地球上の距離は同じである。

 

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図7・4 地球上の南北移動と東西移動

 

 

 

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