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6・6 SARTによる位置特定(ホーミング)の基礎

6・6・1 SARTの動作原理

SARTは、GMDSSの機能の中で生存艇(救命艇及び救命いかだ)の発見と位置特定のための主要な手段であり、救助船が遭難者に近づく(ホーミング)ための重要な手段を提供する。

SARTは9GHzの周波数帯の船舶用又は航空機用のレーダー電波を受信すると、応答信号を打ち返して、捜索船のレーダーPPI画面に一連の信号映像を表す。この場合船用レーダーは、全く改造を必要としないという利点がある。

SARTは生存艇に恒久的に搭載しておくこともできるし、膨脹型救命いかだに持込んで、その上に取り付けることもできる。

SARTは、手動でもあるいは水上に浮いたときに自動的にでも、待受状態にすることができる。待受状態になっていれば、その後救助船のレーダーのパルス電波を受信したときに応答して、周波数が鋸歯状に変化する形のマイクロ波電波を発生し、この電波は呼び掛けたレーダーに帰って、救助船のレーダーの映像面上に約12個の一列に並んだ輝点となって信号映像を表す。

 

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図6・14 SART信号が表われる原理解説図

 

 

 

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