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写真6・1は昭和25年11月13日青森港碇泊中の渡島丸で撮った映像で、レンジは6海里、沖合約3海里の輝点は入港中の洞爺丸である。この写真はレーダー指示器(表示器)の上に三脚を立てて暗幕をかぶせて撮影したもので、恐らく日本で最初に撮影されたPPI画面の一枚である。

船用レーダーの映像解析を研究するには、船用レーダーによる各種物標からの反射強度を測定することが第1であり、幾多の困難を乗り超えて、清水市折戸の商船大学天文講堂に備えたレーダーで、昭和28年11月28日、清水港を出航して横浜に向かう駿河湾航行中の三井船舶所属の有馬山丸(約8700トン)及び付近航行中の約50トンの漁船を追跡して、日本で始めて商船を対象としたレーダー反射強度の測定を行なった。この結果、図6・3のような反射強度の測定結果を得たものである。

 

6・2 レーダー(Radar)とPPI

初期のレーダーは、パルス・レーダー1といわれるもののみであったが、現在はCW (連続波)を用いるCWレーダー2や、周波数を変えるレーダー等いろいろな種類のレーダーが目的に応じて利用されるようになった。更にPPI方式で得た情報をデジタル信号として、方位と距離の極座標の位置(θ、r)を直角座標の位置(x、y)に座標変換を行って、テレビのような昼光型表示器を用いるようにもなったが、ここでは船用として最も広く用いられている基本的なパルス・レーダーを主に解説をすすめることにする。

 

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写真6・1 青森港碇泊中の渡島丸レーダーの映像

 

 

 

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