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巻線温度が周囲温度と一致している状態で測ることを要し、降下法の場合は直流による加熱を少くするため、定格値の15%以下の電流で測定する。乾式変圧器では周囲温度を、油入式の場合は油温度を基準として記録する。巻線のインダクタンスが高いと直流は徐々に増加するから一定に達してから読む。

 

2・5・4 変圧比の測定・極性及び角変位試験

(1) 変圧比の測定

変圧比とは、低圧側を基準にして表した二つの巻線の無負荷における端子電圧の比をいう。図2.45にその測定回路を示す。印加電圧の過飽和による誤差を避けるため電圧は10%以下にする。VT1、υ1は切換えて同一計器を使った方がよい。V1、VT2はやめて直接測定してもよい。三相変圧器の場合は接続前に単相で測定する方がよい。変圧比nは次の式による。

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図2・45 変圧比の測定回路

 

(2) 単相変圧器の極性試験

(a) 交流による方法

図2.46にてV-υ間を接続し高圧側に低電圧V1を印加し、U-u間の電圧V2を測定する。

V1>V2のとき減極性

V1<V2のとき加極性

 

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図2・46 極性試験回路

 

(b) 直流による方法

図2.47の結線にて高圧側に電池電圧を印加し、V1が正に振れるよう接続する。次に電圧計を低圧側にずらしSを投入した時、V2が正に振れると減極性、逆に振れると加極性である。

 

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図2・47 極性試験回路(2)

 

(3) 三相変圧器の極性・角変位試験

三相の場合も単相変圧器と同様な方法で極性試験を行う。

 

 

 

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