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なお、始動特性の算定に当たっては、鉄心の飽和の高い場合には、全負荷電流並びに全負荷電流の2倍の2点を、対数目盛方眼紙上にて延長し、全電圧を加えたときの電流を推定し、下式により始動トルクTstを算定することが望ましい。

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ここに R1:各端子間において測定した一次巻線抵抗の平均値(Ω)

IS′:全負荷電流に近い拘束電流(A)

W′S:全負荷電流に近い電流を通じたときの拘束時入力(W)

Ist:始動電流(A)

S:定格出力におけるすべり

P:定格出力(W)

(2) 損失分離法

この方法は無負荷試験と実負荷試験から諸特性を算定する方法であり、入力側のみ測定を行うので、負荷の種類を問わず、電動機出力を消化できる機械であればよい。従って可変電源設備のない場所や、すでに相手機械と直結されている場合に非常に便利である。試験の順序並びに特性の算定法は次のとおりである。

(a) 一次巻線の抵抗を測定し、75℃(A、E、B種絶縁)又は115℃(F、H種絶縁)に換算した一次一相の抵抗値r1(Ω)を算出する。

(b) 無負荷試験を行い、定格電圧V0(V)における無負荷電流I0(A)、無負荷入力W0(W)を測定する。

(c) 電動機に負荷をかけ、定格周波数・定格電圧において無負荷より約125%負荷にわたって運転し、それぞれの点の入力W(W)、一次電流I(A)及び回転速度NR(rpm)を測定する。

(d) 以上の測定値から、次の式により特性を算定することができる。

169-2.gif

 

 

 

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