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(3) 拘束試験の簡便法

拘束試験は低電圧の平衡三相電圧を必要とするので試験用発電機又は商用電源から誘導電圧調整器を通して行うのが普通である。しかし試験設備の不備な場合は次のように単相を印加して行うと簡便である。

図2・41は一次巻線の2端子を短絡し、それと他の1端子に単相電圧を印加する。この場合の電流を全負荷電流近くにする。可変抵抗はグリッド抵抗でも水抵抗でもよい。いま、単相電圧の読みE1、電流I1、入力P1としたとき、三相印加時に換算するには、次のようにする。

168-1.gif

これを単相試験法と呼んでいる。

 

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図2・41 単相試験法結線図

 

2・4・8 特性算定

(1) 円線図法

電動機特性は、2・4・3、2・4・5、2・4・6、2・4・7の結果に基づいてJIS C4207-95(三相誘導電動機の特性算定方法)に規定する次の4種類の円線図法により算出しその結果が規定値又は保証値に適合するかを確かめる。

(注 円線図の作図法及び特性算定の詳細についてはJIS C 4207-95を参照のこと)

(a) L形円線図法

(b) T形円線図法

(c) 特殊L形円線図法

(d) 特殊T形円線図法

L形円線図法は、ハイランド氏法といわれるもので、普通はこの方法を使う。T形円線図法は鳳氏法を原案としたものである。特殊L形・特殊T形円線図は低周波拘束試験を行ったものに適用するものである。

T形円線図法は、精度は高いが計算・作図が多少めんどうであるので、極数の多い機械、無負荷電流が全負荷電流の50%以上或は全電圧短絡電流の20%以上もあるような電動機に対して使う。

しかし、無負荷電流が全負荷電流の80%以上或は全電圧短絡電流の50%以上もある特殊電動機は、実測によった方がよい。なお、円線図法は作図によって特性を算定するのが普通であるが、計算によっても算出できる(JEC-37-79誘導機付録参照)

 

 

 

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