日本財団 図書館


2・2・10 耐電圧試験

(1) 耐電圧試験

耐電圧試験は絶縁抵抗試験の直後に行うもので、充電部と大地間、又は充電部分相互間に施された絶縁の強度を保証するための試験である。

(2) 耐電圧試験上の注意

(a) 製作工場で新しい機器の耐電圧試験を行う際は、温度試験後に行うのが普通である。

(b) 試験時間は1分間とし、まず、試験電圧の1/3程度を加え、引き続き電圧計の読みうる程度の範囲内で電圧を上昇させ、既定値に達してから1分間その値を保持する。

(c) 試験における交流電圧の波形はなるべく正弦波に近い商用周波数のものとする。

(d) 試験にあたって、被試験巻線の端子は一括して印加するようにする。

(e) 絶縁破壊の場合には入力側の電圧計の振れ、破壊音、煙、匂いなどによって検知する。

 

図2・13は試験回路の一例を示す。

 

134-1.gif

図2・13 耐電圧試験回路の一例

 

(f) 耐電圧試験必要容量

耐電圧試験を行うには、試験電圧を発生する変圧器、一次電圧を調整する誘導電圧調整器又は水抵抗器が必要である。これらの準備をするうえに耐電圧試験時の充電容量を知る必要がある。通常、充電電流は大略60〜300mAぐらいであり、3〜5kVAの耐圧用変圧器があればよい。ただし50W以下の小容量機器の場合は0.5kVA以上でもよい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION