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(6) 始動器

始動器は一般に鋼製のデッドフロント、防滴形とする。

重要な設備用電動機の始動器は、原則として、主配電盤から単独に給電されなければならない。

しかし、個々の電動機の配置、電路の関係などから経済的にぎ装を行うため、数台の始動器を集合させる場合がある。

集合始動器盤の形式に片面式と両面式があるが、盤内での各始動器は独立させ、一つの始動器の事故が隣接の始動器へ波及しないよう、その間に鋼板の仕切りを入れる必要がある。ただし、冷凍機用圧縮機及びその冷却水用電動機のように、互いに密接な関係があり、一方の電動機の事故により、そのユニットの機能が停止するようなものはこの限りでない。

盤に使用されるMCCBは電源母線を活かしたまま取り替えができるようなプラグイン式などとすべきである。

また、取付器具はすべて表面から保守点検が行えることが望ましい。

始動器の前面扉を開くと始動器内の電磁接触器が断となり電動機が停止するようないわゆるドアーインターロックを装備する場合があるが、電動機が運転中でも始動器の内部の点検が出来るようにするためこの種のドアーインターロックは設けないのが一般的である。

始動器が電動機から離れた場所に装備される場合は、一般に停止位置でロック可能な発停押ボタンスイッチを電動機の近くに設ける。

始動器には一般に断路器、電磁接触器、過電流継電器、発停押ボタンスイッチ、電源表示灯、運転表示灯、電流計などが装備される。

電流計は大形電動機、重要補機用電動機、始動時間の長い電動機などに限って装備されるのが普通である。

バイメタル式熱動形過電流継電器は、周囲温度の変化を補償出来る構造のものを使用し2相にのみ装備する場合が多い。

操だ機、主潤滑油ポンプなど船の安全、主機関の保護のために重要な補機の始動器は、一般に不足電圧解放回路(UVR)を採用し、船内ブラックアウト後電源が復帰した場合自動的に再始動するようになる。

なお、自動化船の場合には重要補機は殆どUVRとすることが多い。

 

2.4.2 電熱装置

電熱装置には、機関室内重油過熱器、電子レンジ、電気暖房器などがあるが、これらの形式、構造、取付位置などにはとくに火災予防と感電防止対策が必要であり、重油加熱器などには空だき防止装置が要求される。

 

 

 

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