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(10) 半導体機器の保護

半導体機器自体又は素子自体の保護に限流ヒューズを組み込むべきである。

半導体機器の電源回路は、各素子を保護できる保護装置を備えるべきである。

 

(11) 蓄電池の保護

機関始動用の蓄電池を除き、蓄電池は多極遮断器又はヒューズによって保護する。

ただし、重要設備に給電する非常用蓄電池に対しては短絡保護のみを行えばよい。

 

2.3.4 短絡電流

船内短絡電流の計算方式には、次のものが挙げられる。

(1) IEC方式

(2) 等価発電機方式

(3) 電気協同研究会精密計算方式

(4) パーセントインピーダンス方式(船舶電気計算編3.5.2項参照)

(5) グラフ方式

(6) 米海軍規格方式

(7) 簡易計算法(NK規則参照)

これらいずれの計算方式においても、発電機や電動機のメーカーより短絡電流計算上必要な諸定数を聞き、また回路のインピーダンスなどもよく調査して短絡電流を計算し、これに基いて過電流保護装置の定格遮断容量を決定しなければならない。これらの計算には事前の調査と計算に多大の労力を要する。

ここでは国際的に最も受け入れ易いと考えられる(1)のIEC方式による計算法と回路の諸定数が明らかでない場合の(7)の簡易計算法について述べる。

 

(1) IEC方式

(a) 同期発電機の短絡電流

電気系統に接続されている同期交流発電機は船内における最大の短絡電流の供給源であるので、この短絡電流の特質と大きさを知ることは重要である。

電圧を誘起している交流発電機の三相端子間又はその接続導体間に短絡が生じると、図2.14の様に一般に交流分と直流分とからなる大きな過渡電流が流れ、数秒後には減衰して持続短絡電流の値に達する。

 

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図2.14 短絡電流の波形

 

 

 

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