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この場合サイリスタ整流器の直流電圧が互いに平均値で同じでも瞬時値では時々刻々相違することによって両サイリスタ間に脈動する直流電流が循環して流れるので、サイリスタは常に導通状態にあり速応動作のできる状態に保ち得るが、循環電流が大き過ぎると有害なので、これを抑制するために直流リアクトルが回路中に挿入される。この循環電流は常時一定範囲(定格値の10〜20%)にするか、負荷電流の増大にしたがって減少するように正転、逆転用両サイリスタ整流器位相制御角が自動制御される。

この方式は電動機の逆転時に電気的な回生制動を行うと共に迅速かつ、円滑なる速度移行を要する装置に適しているが、循環電流分だけ装置の電流容量を増すほかその調整装置を要するために、他の方式に比し高価となるので、可逆式圧延機などのように高度の逆転速度制御を要するものに採用が限られている。図2.128は本方式の基本接続を示す。

 

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図2.128 十字結線方式の基本接続図

 

(2) 逆並列結線方式

 

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図2.129 逆並列結線方式(循環電流なし)の基本接続図

 

本結線方式では、十字結線の場合と同じく循環電流を流す制御を行なうことも可能であるが、一般には循環電流を流さない制御法で使用される。この場合循環電流制限用の直流リアクトルは不要であるが、脈動電圧(リップル)抑制用の直流リアクが通常電機子回路に挿入される。

 

 

 

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