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船内通信電源用蓄電池の浮動充電に使用するには、リップル電圧をかなりな程度に含有しているので、これを充分に除去できるよう、リアクトルやコンデンサ等から成る平滑フィルタを整流器出力側に設ける必要があるが、可飽和リアクトル式に比べ全体として小形、軽量で、かつ、原価的にも有利であるので、一般的に広く採用されている。

 

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図2.109 サイリスタ自動調整式浮動充電装置の結線図

 

2・7・5 動力電源用インバータ

電力用半導体と制御用素子の飛躍的進歩に伴って、電動機速度の任意制御又は省エネルギーの目的から、交流電動機の制御用電源として陸上ではインバータの使用が最近急速に普及しつつある。船舶においても、低減速度にて連続運転が許容される比較的大形の補機用電動機に、省エネルギーの目的で採用される傾向にある。

一般にインバータと称するものは一般用交流電源に接続して使用することを前提として作られているので、実際の装置は図2.110に示すようにコンバータ部(順変換装置、交流→直流)とインバータ部(逆変換装置、直流→交流)との組合せから成っており、特殊用途のものを除き、交流電動機の可変速運転用に通常、VVVF(Variable Voltage Variable Frequeney の略、可変電圧、可変周波数)制御方式のものが主として用いられる。

 

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図2.110 主回路構成

 

 

 

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