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図2.36 磁界と運動と電流との関係

 

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図2.37

 

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図2.38 かご形回転子

 

ところがこのうず電流のうち軸に平行な電流分のみがトルクに役立ち円周に沿った方向の電流分は役に立たないから結局図2.38のような形でよい。この形が回転子に応用され、現行のかご形誘導電動機の原形である。そして蹄形磁石を機械的に回転する代りに、固定子に三相巻線を設け、三相交流を流して、電気的に磁石が回転するのと同じ現象を起こさせる。

三相誘導電動機の固定子の鉄心には回転軸方向と並行に固定子巻線のコイルを埋込むように多数の溝(スロット)が空隙に沿って設けられており、この各々の溝にコイルの一辺が納められるが、分布巻きと称して各極毎に各相当り2〜数個の溝が割り当てられ、これらの各相のコイルが通常図2.39に示す如く直列に接続される。三相の励磁現象を分りやすくするため、分布巻きでなく、図2.40に示す如く各極間隔(電気角180°に相当)の問にRSTの各相のコイルが励磁力として等価な1回巻きのコイルに置き替って空隙に沿って配置されると想定する。このようなコイルに三相交流電圧を印加すると各相のコイル図2.41に示す如く、電圧と位相順序が全く同様な励磁電流が流れる。

図2.41中の1]2]3]の各時点についての空隙に沿ったコイルの励磁効果は図2.42のA図、B図、C図に示す如き短形波の合成から成る磁界波形を生じ、磁界の極性は順次正負の配列となる。

 

 

 

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