日本財団 図書館


2] 支接地線は電気機器の装備されている区画を対象として、主に船首尾方向になるべく直線的に布設し、主接地線に接続する。

3] 大形金属構造物、例えば大形補機、燃料油タンク、燃料油管、清水タンク、梯子、クレーン、金属製リギンなども支接地線で有効に接地をする。

なお、無線機器が装備されている場合は、手すり、サッシ、ワイヤロープのような細長い金属物には、送信電波によって誘導電圧が発生することがあるので、これらの金属構造物はできるだけ空中線から離し、長さも短くすることが望ましい。誘導電圧が人体に電撃を与えるおそれのある場合には、絶縁物で金属を被覆するか支接地線で主接地線に接続する。

(d) 避雷用の接地線

1] 避雷用の接地線には75mm2以上のすずめっき軟銅線又は平角銅線を使用して、できるだけ直線的に布設し、鋭角に曲げないようにする。

2] 接地銅板(一般用又は無線機器用接地銅板の近い方)に極力接触抵抗のないように確実に接続する。ただし、接続ははんだだけで行ってはならない。

3] マストの頂上から接地銅板までの間の抵抗は0.02Ω以下であること。

4] 落雷対策の接地に関する詳細については、付録の「避雷設備」を参照のこと。

(2) ノイズ対策としての接地

ノイズ対策としての接地は、他の接地とは異なり、単純に低抵抗で接地すればよいというものではなく、ノイズの発生を減少させ、除去するように施工する必要がある。

(a) 接地銅板

ノイズ対策としての接地銅板は特に設けず、10.3.3(1)(a)の接地銅板を共用する。

(b) 主接地線

原則として10.3.3(1)(b)の主接地線を共用する。ただし、接地する機器に特に低インピーダンスの接地が要求される場合には、銅帯を用いて別に布設してもよい。

(c) 支接地線

1] 支接地線には錫めっき軟銅線又は平角銅線を使用し、その大きさは主接地線の約の断面積とする。ただし、低インピーダンスの接地を要求される場合には、主接地線と同断面積の銅帯を使用する。

2] 支接地線は、ノイズ対策の必要な機器が装備されている区画内に、できるだけ水平方向、直線的に、かつ、できるだけ最短距離に布設し、主接地線に接続する。ただし、ノイズ除去のための接地が必要でない場合には10.3.3(1)(b)の支接地線を共用してもよい。

3] 無線機器用の接地線とはできるだけ離して布設する。

(d) 各機器と接地線との接続

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION