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(6) 調速機(governor, speed governor)

機関の負荷の変動に応じて、燃料の量を適当に加減して回転数を所定の速度に自動的に保つ装置であって、機関には必らず装備されている。殊に発電機用原動機、タービンなどは精巧なものが要求される。

これには遠心式、空気式、油圧式電子式等多くの種類がある。

図3・6は遠心式の原理図であって、回転軸に取付けた重錘が、ばねの力に抗して回転速度の増減に応じ遠心力により開き又は閉じる力を利用して、燃料弁を作動させ燃料の量(蒸気タービンの場合は蒸気量)を加減して、回転速度を加減するものである。ばね力を調節して回転速度を調節することもできる。また、最高(及び最低)回転速度のみを制御する非常調速機もある。

 

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図3・6 ガバナ原理図

 

3・4・3 蒸気タービン及びボイラ

(1) 蒸気タービン(Steam turbine)

ボイラで作った水蒸気がもっている熱エネルギーを、蒸気の膨張によって大きい流速にして、運動エネルギーとし、その運動エネルギーを、噴き出し口即ちノズルと回転羽根車とによって機械的仕事に変える熱機関である。

蒸気タービンの起源は、遠く紀元前120年頃、ギリシャのヘロンが案出した一種の反動タービンである。これは、かまで蒸気を作り、金属球を支える両側の柱から、球に蒸気を送り金属球の上下に曲った管から蒸気を噴出させると、その反動で球が垂直面内で回転するという原理である。

その後いくつかの方式のタービンが考案されたが、1884年にイギリスのパーソンスが蒸気の圧力を数段に分ける、いわゆる多段階衝動タービンを製作し、発電機に直結できる回転数(2000〜3000rpm)のものができるようになった。ここで初めて実用化されるようになった。

 

 

 

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