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この方法の特徴は、燃料消費量、圧縮比、バルブタイミングに影響を与えること無く、空気温度の低さによって低NOxレベルの達成が出来ることである。Codanら「14」、によって、実際のエンジンテストで、40%のNox低減が選られたことが報告されている。発生するかもしれない問題としては、部分負荷に不都合があること、高い着火温度を要する燃料を用いたときの燃焼問題、煤生成の増加、起動の難しさなどである。

 

4.2.2 フリーピストンエンジン

エンジン効率を高める為、最高ピーク圧力はより高くなり、それに伴ってエンジンに加わる機械負荷も大きくなってくる。従来型の往復動エンジンにおいて、こうした負荷の上限は、回転部分の機械要素の健全性と言う面から決まってくる。フリーピストンのコンセプトは、ピストンの直線的な往復運動を、何らかの形で直接、使用可能な出力に変換しようとするものである。これはパワータービン用に、高温高圧の排ガスを作るとか、この装置を推力ポンプやリニヤ発電器と直接結合すると言ったことで実現される。結果として、この装置は従来型エンジンに固有の機械負荷による制約はより少なく、高いピーク圧力が可能であり、より高い効率が期待できる。

この機構はもともとイタリアのPescara「15」によって1928年に発明され、タービンにガスを供給するための高圧排気生成装置として設計されたものであるが、その特許より広い応用可能性を持つものとして提示されている。その後研究の焦点が当てられたものとしては、フリーピストンエンジンポンプ「16」、スターリングフリーピストンエンジン「17」、NASAのSPREリニヤ発電器「18」などがある。フリーピストン技術の開発は、このシステムに特有の制御性の問題によって、1960年代にかなり停滞したが、現代のセンサー及び制御技術の使用によって、今では動力に関する現代の需要に答えを与える可能性を持っている。

フリーピストンエンジンには典型的な二つの形態があり、一つは単一デイスプレイサーピストン、もう一つはFig.4に示すような、コネクティングロッドでつながれた2ケの反対向きのピストンである。爆発タイミングと同期生が全体システムとしての問題点である。燃焼室の設計及び排気システムについては、従来型エンジンにおいて使われている技術が応用できる。しかし、噴射タイミングを定める制御アルゴリズムが開発されねばならない。もし電子制御式燃料噴射及びエンジン管理システムが開発されれば、必要とされるレベルの制御は可能となるであろう。例えば、低NOx運転と言った与えられた運転条件に対し、自分自身で動きを最適化するような独特の柔軟性を持っていることは、特に魅力的な特徴である。ストローク長や圧縮比などの運転パラメータは、制御アルゴリズムの小変更によって変えることが出来る。

現代のリニアモーターの発達に伴って、このシステムは高効率かつ保守負担の少ない発電装置となりうる可能性を持っている。柔軟性のある発電システムが求められる中で、フリーピストンエンジンは、再び実用的興味が持たれるトピックになっている。

 

4.2.3 蒸気噴射デイーゼル(STID)エンジン

このコンセプトは、高圧の過熱蒸気(500℃、180bar)がデイーゼルエンジンに噴出され、その結果、追加的な出力を生み出す蒸気エンジンとして作動すると言うものである。冷却水と排ガスの熱を利用し、エンジン過給器前段の過熱器において蒸気が作り出される。この新しいエンジンは58%の熱効率を有し、NOxは1/4に低減しうると試算されている。このレベルの性能を達成する為には、約2.55の蒸気/燃料比を得る為に、4kg/kWhr程度の大量の水が必要とされる。「19」

 

4.2.4 燃料噴射率制御及びコモンレイル噴射システム

電子制御式燃料噴射システムの発達「20」によって、シリンダへの燃料噴射の量とタイミング制御出来るようになり、非常に大きな可能性が開けてきた。

 

 

 

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