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3. 事業の目的と実施にいたる経緯

 

3.1 事業の目的

船舶修繕は作業の定型化が難しいことから機械化・自動化の面での立ち後れが顕著である。従来は熟練工の技量に依存するところが大きかったが、機械化・自動化による合理化は若年者の雇用確保と現場職の世代交代の円滑化のために不可欠である。また、修繕管理についても、修繕カルテの充実、合理化によるコスト削減、及び高度情報化への対応が焦眉の急となっている。

そこで当会内に修繕作業効率化委員会をおき、現場作業の機械化・自動化に関する検討、及び修繕管理のシステム開発を行うこととした。

 

3.2 実施の経緯

当会は、事業実施に先立ち平成11年度に修繕部門を保有する会員のうち構造改善クラスの企業に対して、現在修繕業の抱える問題点について調査票により自由なご意見をいただいた。さらに、各社訪問の際に口頭でもお話を伺い、次の通り取りまとめた。

 

3.2.1 設備関連

設備の近代化は、基本的には個別企業の経営判断に帰すべき設備投資の問題であるが、低廉・高性能の機械装置の選定等には、委員会として作業の余地がある。

 

○クレーン能力が不足している。

○渠底が荒れて高所作業車が走りにくい。

○入渠用ウィンチの能力・台数が不足している。または、老朽化している。

○ワッシャーの台数が不足している。吐出圧力が不足している。

○浮きドックが老朽化しており、注排水に時間が掛かるほか、スタビリティにも不安がある。

○現在自動腹盤木を10台使用しているが、あと6〜8台設備したい。

○造機工場のホイスト増強、床面整備等により運搬作業の改善を必要としている。

○錫フリー化に伴い、海洋生物の付着状況が変化してきている。特にアオサノリの付着は頑固で工数を要する。塗料メーカーによっても差異がある。ワッシャーを増設して対応している。

○水面使用に関しては漁協との協定により岸壁から200mまでとされており、大型船やクレーン船の係留に問題がある。

 

 

 

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