日本財団 図書館


4-3 受容性と製造物責任予防対策(PLP)

ガイド51における「許容可能リスク」の考えは製品等と使用者の便益、目的適合度合、費用対効果の優位性、関連する社会の慣例とのバランスのアウトプットである。ガイド51には受容可能なリスクの定義は記述されていないが、IEC61508/JISC0508第5部付属書Bには言及されている。

本来リスクに対する受容の判断は、被害を受ける側に主眼が置かれていることは当然である(迷惑施設の立地問題、リスクの多い巨大船舶の湾内アクセス)。しかしシステムを使用者に手渡すまえに製造者の責任で、「安全」が判断されるというのは現実である。従い、残留リスクが公平性をもつということを明らかにするのは設計者の責任である。防止可能でありながら、設計者が実行しなければ、米国では製造物責任法による厳格責任(strict liability)により制裁されている。欧州ではPLP(Product Liability Prevention)を採用して訴訟対策をしている。技術の進歩によって不公平が生じてはならないことから、State of the Artの原則にもとずいて3〜5年ごとに欧州統合規格は見直しが行われている。

機械安全に関するリスクアセスメント(図参照)はあくまでも機械が危険源として生ずる災害による被害を評価することである。厳密なリスク評価に対して受容か否かが問われることになる。

 

067-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION