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これらの各システムは、階層的構造の解体において様々な構成要素に関する情報獲得を容易にするため、現在、サブグループヘと分解されている。これらはISO 10303の本パートの付帯文書Mに記されている。AP226は、概念から設計/選択、運転、監視、検査を通して解体までの情報要件を包含するように、上記システムのライフサイクルビューを提供する(図9.2参照)。このライフサイクルビューは、造船のコンカレントエンジニアリングに関するデータ保管、データ操作、およびアプリケーションモジュールの開発に対し、また、海運の船上システムおよび船と陸上とのデータ通信に対し、強力な基盤を提供する。

 

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図9.2−船の機械システムのライフサイクル概念の図式表現

 

9.3. 船用アプリケーションプロトコルに共通な概念

ISO 10303 AP226は船の機械システム用データの交換と共有を支援するため開発されている。ISO 10303 AP226は、他の船製品アプリケーションプロトコルと関連して、重要な船関係の概念がSTEP標準の中で共通、且つ、相互操作可能となるように開発されてきた。

 

9.3.1. クラスタイプ階層(Class Type Hierarchy)

数多くのクラス(6.6.5参照)の領域に広がる情報を、ISO 10303の本パートが一般化し、統合化する際に用いた方法は、一般にはタイプ階層として知られる階層的分割によるものである。このような階層の特性として、階層の根元に近いオブジェクトはより一般的なオブジェクトを表し、一方、枝葉の部分は最も専門化したオブジェクトを表す。

ISO 10303の本パートで採用したタイプ階層の主要な構成要素を図9.3に機械製品用として示す。情報を体系づける基本は、より広い船用AP内の項目(item:6.6.29参照)およびISO 10303の本パート内の「辞書項目」(“dictionary item”)という概念である。「辞書項目」は分離した識別可能なものであり、それに属性が関連付けられる。それは最も一般化されたオブジェクトとして役に立ち、そこから更に専門化したオブジェクトが導き出される。

 

 

 

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