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9. Annex L Technical discussion (MES)

ここではAP226のAnnex L Technical discussionの内容を和訳して以下に紹介する。

 

9.1. 序論

この付帯文書は、ISO 10303の本パートに適用された技術的な方法論について、全般的且つ入門的な情報を提供するために作成された。本書は下記について述べる。

1. STEPおよび船製品に関連するアプリケーションプロトコルについて、特にパート226船の機械システム(Ship Mechanical Systems)を参照しての紹介

2. 項目(item)、定義(definitions)、および項目と定義との関連付け(association)の概念に関係するタイプ階層を含めた、全ての船製品アプリケーションプロトコルに共通な概念

3. AP226データプラニングモデルを含むAP226データモデルの構造、およびAP226のスコープ全体がデータモデルの中でどのように具体化されているかを記述

本書は、ISO 10303の本パートを再吟味、もしくは後でこの標準を利用、実装しようとしている方々に読んで戴きたい。

 

9.2. STEPと船用アプリケーションプロトコル

9.2.1. ステップとは何か

STEPのイニシアティブは、製造産業においてコンカレントエンジニアリングを支援する手段として、正式には1984年に始められた。STEPはISO 10303-製品データの表現と交換(ISO 10303-Product Data Representation and Exchange)の名前として広く用いられ、ISOテクニカルサブコミッティーTC184/SC4の指導のもとで開発されている。

STEP(STandard for the Exchange of Product model data)の目的は、船や車、飛行機等の製品を、その生涯を通して、コンピュータが解釈可能な中立形式として、完全に且つ暖昧さがないように表現することである。このように、STEPのイニシアティブは、製品が生まれる要求定義の段階から、概念設計、製造、生涯を通じた運転、保守段階を経て最後の解体段階まで、製品を矛盾無く表現できるようにと方向付けられている。データを定義する能力により、組織はお互いの利益となるように、データを再利用し、交換し、共有することができるようになる。これだけの多様性があるため、STEPを役立つようにしようとすると極めて複雑になり易かったであろう。これを避けるため、STEPの標準にはユーザ特有のパートがあり、それらは以下を記述している。

・特定の適用分野に関する標準データ定義

・そのデータを交換し、共有する方法

これらのパートはアプリケーションプロトコル(AP)として知られている。

 

 

 

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