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3.2.2 肋骨心距の決定

肋骨心距は一般配置図の段階ですでに決定さるべきものであるが、単底助板、肋骨、外板、甲板などの寸法を定める要素の一つとして重要なものであるから、ここにその決定法を説明する。

横肋骨心距の標準としては、小型鋼船構造基準では倉内は460+2.28L(mm)(ここにLは船の長さ、m)とし、船首尾倉内および船尾材または船首材とこれに隣接する肋骨との距離の最大は610mmと前項の式のいずれか小なる方におさえることになっている。クルーザースターンの肋骨心距は610mm以下とする。NKでは450+2L(mm)を標準としている。また、船首尾倉およびクルーザースターン並びに船首隔壁と船首から0.2Lの個所との間の横肋骨の心距は、610mmと前式のうち小さいものを超えてはならない。

一般の傾向としては、船首尾倉を除いては横肋骨心距を標準よりやや広い目としたものが多く(+100mm、-50mmの程度)船首尾倉はこれより10%位狭くするようである。肋骨心距を大にすれば、肋骨の数は減ずるが外板、甲板(甲板梁も肋骨ごとに設ける)の板厚と肋骨の寸法が増すから、これらを適当に組み合わせた場合に構造重量が最小となるわけである。しかし工作との関係もあり、やや広い目にとるようになっている。200トン未満の小型船となると、肋骨心距は全船通して同一とするのが簡便である。

縦肋骨(とくに二重底内の)の心距はNKでは縦肋骨の心距は550+2L(mm)を標準としている。ただし、助板間の距離が2.5mを超える場合は、その中間に形鋼支柱を設けなければならない。

横肋骨及び縦肋骨の心距を標準規定より170m以上とする場合は、単底部材、二重底部材その他関連部材の寸法及び構造に特別の考慮を払わなければならない。

 

3.2.3 各部寸法の決定

構造方式および肋骨心距が決定された後、構造規則に規定された部材は、3.8に後述する構造寸法計算書によって、船体諸寸法を考慮しながら計算によって求め、鋼材の市販寸法および在庫表なども考慮して実船に用いる部材寸法の決定にもってゆく。

その順序としては、一般の構造規則にあるように(小型鋼船ならびにNK鋼船規則、鋼製漁船構造基準など)、船首材、船尾材、舵(これらには鋳、鍜鋼材を使用したり、大径のベアリングを要し、外注する場合にはとくに手配を早くしなければならない)、単底または二重底構造、肋骨、梁柱、甲板下縦桁、平板竜骨、外板、甲板、水密隔壁、深水タンク、船首尾の防とう構造、船楼、甲板室、機関室、軸路(もしあれば)の順に寸法を決定する。このうち強力甲板の厚さは、船の中央部における強力甲板の有効截面積が、小型鋼船構造基準に示す船体横截面抵抗率(Z=I/y)を満足するように定めねばならないので、3.7に説明するような方法で、まず最小厚さの強力甲板で計算し、これに所要の修正を加える方法をとり、ここに若干のゆきつもどりつがある。

 

 

 

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