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線図をかくには、横軸にはりの各断面の位置をとり、縦軸に各断面のせん断力または曲げモーメントの値をある尺度でとった点をとり、それらの点を結ぶ。このようにしてかいたせん断力の線図を「せん断力図(shearing force diagram=S.F.D)」、曲げモーメントの線図を「曲げモーメント図(bending moment diagram=B.M.D)」という。

各種はりのせん断力図及び曲げモーメント図並びに最大曲げモーメント(max)は学習指導書を参照のこと。

 

2.1.6 はりの応力

はりに荷重が働くと、せん断力や曲げモーメントが作用する。このとき、はりにはせん断力に対してせん断応力、曲げモーメントに対して曲げ応力が生じてつりあう。この応力がはりの材料の許容応力以内にあれは安全であるが、許容応力を越えると危険である。そこで、はりの断面の形や大きさを適当に決めて、材料内に生じる応力を許容応力以内におさえたり、より強い材料を使って安全にする。そのためには、はりの内部に生じる応力の大きさが、断面の形や荷重のかかり方によってどのようになるか調べてみなけばならない。

(1) はりに生じる応力

いま、第2.11図(a)のようなはりを考え、はりを任意の断面XXで切り、A部とB部とに分けて考える。

 

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図2.11図

 

B部について考えれば、第2.11図(b)のように、断面XXには外力による曲げモーメントMに大きさ等しく、反対向きの曲げモーメントMr、W2とR2との差に等しいせん断力Fが生じてつり合いを保っている。また、断面XXの左側A部のつり合いもこれと同様で図(c)のようになる。

Mrは曲げモーメントに抵抗するために、この断面に生じたモーメントであるから、これを抵抗モーメントという。抵抗モーメントは、この断面に生じる垂直応力(前に述べた曲げ応力)よって起こるものと考えられる。

一般に、深さに比べて長さの長いはりの強さは主として垂直応力によって定まるものであるから、せん断応力の影響は、長さに比べて深さの大きい場合、その他の特別の場合以外は考えなくてもよい。

 

 

 

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