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溶接構造用のじん性の大なる鋼材を使用するとか、開口部の四隅に丸味をつけたり補強したり、交叉部材の端末の拘束をゆるくしたり(フソトトーという)、リベットシームを設けるとか、溶接部の検査を厳重にするとかの対策が必要である。

疲れによる亀裂は局部的に応力集中の大きな部分に生じ、検査の際に発見補修されることが多い。しかし、ただ溶接で亀裂を肉盛りするだけでは根本的な解決とはならない。その附近の構造を検討し、不連続部の応力集中を緩和できるよう、ソフトトーの採用、丸みの採用、二重張りで厚くする。スチフナを入れて応力を散らす、などの対策を必要とする。疲れ亀裂の発生と対策の一例を第1.7図に示す。

 

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第1.7図 疲れ亀裂とその対策

 

(イ)は肋骨肘板の下端と内底板の取り合い部に発生したもので、(1)の立て防撓材により応力集中を逃がす。

(ロ)は船底縦通材を通すために助板に明けた切欠きの隅部に発生するもので、(2)の立て防撓材により応力集中を逃がす。(ハ)は肋骨のウエブと肘板の接続部に発生するもので、(3)の水平防撓材により応力集中を逃がす。いずれも部材不連続部の応力集中を追加の部材を捕うことにより連続構造とし、疲れ亀裂を防止するものである。

 

1.5 船殻構造関係用語

船殻構造関係で主に使用される用語とその読み方、意味、対応英語および慣用語等を第1.6表に示した。

また、参考のため各構造の部分図を第1.8図〜第1.13図に示した。

 

 

 

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