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なお、外国船舶の所属地の船舶安全法に該当する法令を大臣が相当と認めたときは、その法令に基づいて外国船舶が受有している証書は、船舶安全法に基づくものと同一の効力とみなされる。ただし、船舶安全法に基づいて交付した証書の効力を認める国の船舶に限る。

 

10. その他事項

10.1 再検査

管海官庁の行う検査の適正公平を期するため検査を受けた者が、検査の結果につき不服があるときは、30日以内にその理由を添えて、運輸大臣に再検査を申請することができ、再検査に対し、不服があるときは、その取消の訴を提起することができる。(法第11条第1項・施行規則第49条)

 

10.2 立入検査

船舶の堪航性を良好に保持するため、船舶の施設が、法規の要求どおり維持され、船長の義務が履行されているかどうかを確かめるため必要と認めるときは、管海官庁は、何時でも職員を船舶に臨検させることができる。又認定事業場にも臨検させることができるように定められている。その結果、当該船舶等が、法律に違反している事実が判明したときは、船舶の航行停止その他の処分をすることができる。立入検査を行う職員は、その身分を証明する証票を携帯している。(法第12条)

立入検査の制度は、外国の船舶で、日本国内にあるものに適用される。

 

10.3 船舶乗組員の不服申立

船舶乗組員のうち10人(船舶乗組員20人未満の船舶ではその半数)以上が、船舶の堪航性又は居住設備衛生設備その他人命の安全に関する設備に重大な欠陥があると定められた手続きによりこれを申立てた場合には、管海官庁は、その事情の有無を調査し、必要があるときは、航行の停止その他の処分をしなければならないことになっている。(法第13条、施行規則第50条)

 

10.4 溶接技量工

鋼船の船体、ボイラ、その他の圧力容器、又は機関の部分を接合するのに、電気溶接、ガス溶接等の使用は不可欠である。しかし、これらの溶接による接合部の検査法に簡易なものがないことと、もし、この部分に欠陥があったときの災害が、極めて重大なものとなることが多いため、その安全性の確保については、溶接工の技量の優秀さに期待せざるを得ない。このため溶接する材料の板や管の厚さと溶接する姿勢に応じ、技量の種別を定め、これに応じて試験を行い、合格者でなければ従事できないよう工事を制限されることとなっている。又合格者には証明書を与えることとしている。(船舶構造規則第6条)

この試験は、所轄の運輸局が執行する。日本海事協会でも、同じような試験を行い、証明書を交付しているが、その合格者は、所轄の運輸局の試験に合格したものとみなされる。

 

 

 

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