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この条約は、会議に出席した48カ国中31カ国が、受諾を条件に署名している。

日本は署名のための開放期間中の1969年12月10日に署名し、長期間の国内調整を経た後、1980年7月17日に受諾したことにより、発効要件を充足し、1982年7月18日に発効した。

その後、我が国においても条約を実施するため、船舶のトン数の測度方法を全面的に改め、条約に基づく測度方法を取り入れた「船舶のトン数の測度に関する法律」を昭和55年5月6日に制定公布し、条約が発行する日、昭和57年7月18日から施行している。

これに伴い船舶積量測度法及び関係省令は廃止されたが、昭和57年7月17日以前に建造に着手された船舶(以下「現存船」という。)の総トン数の測度の基準については、なお、船舶積量測度法及び関係省令が適用されることとなっている。たゞし、現存船のうち、昭和57年7月18日以後に特定修繕(大改造)を行った船舶については、トン数法が適用される。

 

2. トン数法の体系と概要

この法律は、トン数条約の実施及び海事に関する制度の適正な運用を目的としたものであるため、トン数条約に従って船舶のトン数の算定に関して用いるべき技術的規則を定めるとともに、トン数条約の適用を受ける長さ24メートル以上の船舶とトン数条約の適用から除外されている長さ24メートル未満の船舶について船舶のトン数の測度に必要な事項及び、国際トン数証書又は国際トン数確認書の発給に関し必要な事項を定めている。

我が国の海事制度の適用の基準となっていた船舶のトン数としては、以前は「総トン数」と「純トン数」があったが、「純トン数」においては、トン数法が新しく成立しこれに伴い船舶法が改正されたことにより、抹消されることとなり、我が国の海事制度の適用の基準となる船舶のトン数は「総トン数」のみとなった。

この総トン数は、船舶法において、船舶の登録に使用されるトン数であり、また船舶国籍証書に記載されるトン数である。

なお、現存船の総トン数は船舶積量測度法に基づき船舶の内法容積を測度し「総トン数」が算定されていたが、新造船(現存船であっても特定修繕を行った船舶)の総トン数は、トン数条約に基づく「国際総トン数」の数値に運輸省令で定めた係数を乗じて算定している。

(1) トン数法制定の趣旨等

トン数条約を批准し、同条約をわが国において実施するため必要な法制度を整備することを目的としており、同時にトン数によって大きさ、稼動能力等の船舶の基本的な特徴をより適切に表わすため従来の制度を改善し、トン数を基礎として運営されている海事に関する制度の適正な運営を確保するものである。(第1条)

また、トン数を使用する他の法令との関係を明確にするため、他の法令に特別の定めが無い限り測度の基準についてはトン数法の定めるところによることとしている。(第2条)

 

 

 

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