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(4) 空中線展張図

本図は無線装置、航海装置等の空中線の装備配置状況が一括表示される。空中線はその性格上、空中線相互の相対位置と船体構造物との関係が機能に及ぼす影響は大きく、特に注意を要する。

したがって無線機メーカーと十分な協議、検討の上で作成されなければならない。

本図は空中線支柱、材料等の手配計画に利用されるほか、船舶無線局開設に必要な電波管理局への承認申請にも使われる。

(5) 装備要領図

特殊な装置、複雑な装置を要する機器に関して、その配置、据付け、取付け、溶接法、その他詳細な装備要領を図面化したものである。

現場作業のための案内が主目的であるが、船級協会や船主の承認を得るためにも利用される。

これら図面は次のものがある。

音響測深機送波器、速度測定儀、レーダ用導波管等がある。

(6) 船内試験方案

船内艤装工事が進むと、機器の実際の作動運転試験が平行して行われ、その後の海上運転の際にもすべての電気機器の最終的な運転試験が行われる。

船内試験方案はこれらの試験の種類、方法、手順と良否の判定方法が記載されたものであるが、内容については船級規則を初め種々の規格、船主の要求、造船所の試験標準等の条件を満たすものとして作成される。

船内試験は船主、また必要に応じて船級協会検査員が立会って行われるので、事前に本方案により試験内容について承認を得るのが普通である。

(7) 予備品表

船が就航後に機器の部品の取換えを要する場合、造船所や機器メーカーから直ちにそれを取寄せる事は不可能に近い。したがって船には規定員数の予備、消耗品を積んでおかなければならない。

予備品表はこれらの部品の現用数、予備数が装置、機器別に表示されており、船内の予備品倉庫からの出庫や以後の補充等の管理表として使われる。

本図の多くはメーカー図の一部として扱われ、注文要領書や承認図の段階で部品員数が決められるが、内容は船級協会規則又は建造仕様書に基づき、最終的には船主承認を得たもので決定される。

下記に鋼船規則の1例を示す。

 

 

 

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