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(6.1) 機関部自動化システム

船舶に自動化が最初に取り入れられたのは、機関部であり、1961年(昭和36年)頃である。

以降船舶の自動化が大きくクローズアップされてきた。

この頃から各船級協会とも機関部自動制御、遠隔制御に対する規則検討始め、1961年(昭和36年)にNVから、NKからは、1965年(昭和40年)に暫定規則が発行された。機関部自動化はその後、機関の無人化へと進み、1970年(昭和45年)NKからは無人化の規則が発行され急速に機関の無人化が進められている。

この機関の無人化を行った船は、出入港を除いて航海中は機関室に一定時間人員を配置せず、主機関の制御、監視等を船橋において行うと言うものである。このための主要装置としては、次のようなものが装備される。

まず、主機関の遠隔制御及び機関室内の機器の集中監視制御場所として制御室又は集中制御場所が設けられ、重要な監視及び制御はこの場所から行えるようになっている。さらに主機関の制御も船橋に移して行えるようになっており、監視警報はいくつかのグループに分けて船橋及び機関士居住区に延長してある。

したがって、船橋には主機関の遠隔制御装置が装備される。これらの装置の概要は次のようなものである。

ディーゼル船では主機関の起動、停止、正逆転、速度制御は機関室又は制御室の主機制御盤から行い、この制御盤には制御監視に必要な燃料ハンドル、正逆転ハンドル、圧力計、回転計、表示灯、警報等を装備する。特にこの場所で集中制御、監視するものでは、主発電機関の遠隔発停の制御、監視、ポンプ、空気圧縮機等の関連補機用電動機の遠隔発停並びに運転監視、停止警報等遠隔監視などを主機制御盤又は近くに設けた監視盤から行う。また、主配電盤もこの近くに設けられ、発電機の監視、同期投入、負荷分担制御等を行う。

自動制御については、主機関ではねじり振動の発生する回転数の自動回避、プログラムに従った自動的な増速制御、危険状態における自動減速及び自動停止等を行い、発電機では危険状態における自動停止、1台故障時の待機、自動起動、遮断器の自動投入等を行っている。なお一般補機ではタンク液面、圧力等による電動機の自動発停、故障後発電機電圧が回復した場合の電動機の自動順次起動、故障電動機から予備機への自動切換え等があり、タンク液面の自動制御、加熱器温度の自動制御、冷却器出口温度の自動制御、各種圧力の自動制御等を行っている。

 

 

 

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