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最近衝突予防援助装置が装備されることも多い。方位測定機以下の装置は空中線(アンテナ)が必要であるため無線装置に入れることもあるが、ここでは航海装置として取扱うことにする。

航海装置、諸計器類は大きく分けて次のものがある。

(4.1) ジャイロコンパス(転輪羅針儀)

ジャイロコンパスは、最近ではほとんどの船に装備されており、機種も大型から小型まで各種あり、それぞれに適したものが採用されている。

ジャイロの方位安定性を利用し、方位を指示するとともに、航海計器に方位信号を送るようになっている。ジャイロコンパスの指示器は、船橋中央及び両舷に装備される他、操舵スタンド又はオートパイロット、レーダー、方位測機等に組み込まれる。なおジャイロコンパスの他に船には必ず磁気コンパスが装備されている。

(4.2) オートパイロット

オートパイロットは、内航船ではほとんど使用されていないが、その他の船には装備されている。

オートパイロットは、ある設定した方位に船の針路を自動的に保つ装置であり、操舵装置とジャイロコンパスからの方位信号を組合せ、あらかじめ設定した方位と船の方位を比較し、船が風、波、潮流等の影響を受けて、その方位が変化すれば、その変化量に従って舵に信号を与え、船の針路を設定した方位に保持する装置である。

したがって、ジャイロコンパス装備の船では、基準はすべてジャイロコンパスの方位信号であるため、最近では特にジャイロコンパスをパイロットスタンドに内蔵した形のものが多く採用されている。

(4.3) 音響測深儀

音響測深儀は船底から音波を発射し、その反射波を受信して、水深を計測する装置である。海中での音波の測度は役150m/sであるので、反射波が戻る時間を測定すれば深さを知ることができる。一般に周波数200KHz、測深300〜600m程度のものが使用されており、指示方式にはブラウン管式と記録式とがあり、記録式にも乾式と湿式とがあるが、乾式記録式のものが一般に採用されている。

この装置は出入港時等海底が浅い場合によく利用される。

 

 

 

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