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(a) 長所

1. 駆動力が大きく、操作に労力を必要としない。

2. 油圧式のような油による汚れがない。

3. 油圧式のような高圧配管の必要がなく、また圧縮空気は他にも使用していることが多いので、とくに動力源を設ける必要がない。

4. 各種の自動化、インターロックを組込むことが容易である。

(b) 短所

1. 配管系統において空気漏洩のおそれがあり、その場合漏洩個所の発見がむずかしい。

2. 空気が圧縮性流体なので、追従性においてやや劣る。

3. 油分や水分の混入により作動に支障を起こすことがあるので、除湿装置などの対策が必要である。

この方式では、前後進切替のような二位置動作はスイッチにより電磁弁を切替え、圧縮空気を作動シリンダに送って作動ピストンを動かすことにより行う。増減速操作のように追従制御を要するものは、ガバナーモータ及びシンクロ制御機構又はポテンショメータ制御機構により電気的に行うのが普通である。

(3) 電気油圧式

電気油圧式とは、機関より離れた位置に設けた制御盤より電気制御機構及び動力油圧駆動機構を介して、機関の前後進切替、始動・停止、増減速などの操作を行う方式であり、船橋操縦及び制御室操縦を問わず使用されている。

(a) 長所

1. 制御性が良く、精密な制御が可能である。

2. 駆動力が大きく、操作に労力を必要としない。

3. 制御系統はすべて電気式なので、油圧ポンプユニット以外の取付配置は容易であり、機器を最適位置に配置できる。

4. 各種の自動化、インターロックなどを組込むことが容易である。

(b) 短所

1. 価格が比較的高い。

2. 油圧配管系統の油漏れにより、操作不能となることがある。

この方式は、制御盤におけるハンドル又はスイッチ操作を電気信号に変え、動力油圧ポンプにより作動シリンダヘ送る油量を調節して、機関を操作する方式で、この作動原理を図2.2.2に示す。

 

 

 

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