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このように、溶接ビードの周辺では、その場所により先の第4.1図に示した状態図のうちの組成変化を、経験した後、冷却されることになるので、溶接後の附近の材質は変化するのである。

第4.3図は、溶着金属部1]と、熱影響部をはなれた場所2]の温度が時間によってどのように変化するかを示したものである。これを見ると、溶けている状態、即ち、1,500℃附近の温度は、2〜3秒の間であり、1分以内に300℃位まで冷却されることがわかる。

今、溶接ビードを切断し、断面を磨いた上マクロ試験片(6.1.2を参照)をつくってみると、第4.4図のようになる。

 

195-1.gif

溶接部の温度変化の模型図

(船体溶接法)

 

195-2.gif

第4.3図 アーク溶接による鋼の加熱状況

 

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第4.4図 溶接部の断面

 

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第4.5図 高張力鋼のビード溶接部の硬度分布 (船体溶接法)

 

 

 

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