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通信教育造船科講座テキスト「船体工作法」

 事業名 小型造船技術講習
 団体名 日本小型船舶工業会 注目度注目度5


第6章 進水作業

 

6.1 進水作業の概要

進水作業は、陸上で建造した船体を、始めて水に浮かばせる作業で、その際に新造船の誕生を祝って、進水式が行われる。

進水は、船の建造工程中で最も重要なものであり、瞬間的に、大きな重量のある船体を水中に滑走、浮揚させるので、船体に及ぼす急激なる応力及び危険性は、その例を他にみない。更に重要なことは、この特異な作業には予行も遣り直しも全然許されないことである。

従って、進水作業に当っては、計画、実施とも理論を基礎とし、経験、実績を加味して綿密、かつ慎重に施行されなければならない。

進水における万一の事故は、船体、人命、会社の技術的信用等に重大な結果を招くことを覚悟しなければならない。一瞬に決る進水も、それ以前の計画及び作業に、貴重な長時間の努力が払われて、始めて成功するものである。

 

6.2 進水方法の種類

6.2.1 縦進水

進水には、船台からの進水と、建造ドック内での進水とがある。特に小さい船では、クレーンで吊って水に浮かべる進水もある。

船台進水には、さらに、縦進水と横進水とがある。特殊な立地条件の造船所以外は、縦進水が一般に行われているので、ここでは、縦進水のみについて述べる。

縦進水では、船尾を海岸に向けて建造するのが一般である。その理由は

(1) 浮力を得るには、船首よりも船尾の方が早くかつ安全である。

(2) 船尾浮揚時に、船首にかかる過大な圧力に耐えるには、構造上船尾よりも船首の方が有利である。

(3) 主機等の重量物を、海上を船で運搬して、船内に搭載するのに便利である。

(4) 船首よりも船尾の方が工事量が多い。船台を有効に使用するには、船尾を海側から建造し始める方がよい。

 

6.2.2 進水の仕方

船台における縦進水の方法を要約すると次のようになる。盤木上に支持されている船体を滑り台(進水台)上にのせ換え、船台上に固定された数本の傾斜した滑走路上を滑らせて水上に送り出して浮べる。

この滑走路には、固定台又はレールが使用される。滑りやすいように、滑走路と滑り台の間に、ヘッド(獣脂)、ボールベアリング(鋼球)、トロッコ(台車)、ローラー(コロ)等が使用される。

 

 

 

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