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この図を見てもわかるように、左図の中には売上高線と総費用線が入れてあるが、この総費用には2つの性格がある。

固定費…売上高と無関係にかかる費用

変動費…売上高と比例して増減する費用

総費用=固定費+変動費

そこで右図を見てほしい。

固定費    の部分は、売上高に無関係だから、一定で売上高0→売上高が増加しても変わらない。

変動費    の部分は、売上高0→売上高が増加するにしたがって図のように変化する。

図表には、横軸、縦軸ともに売上高を示しますから売上高線は0点から45°の対角線となる。図をもう一度見てほしい。総費用線と売上高線の交点  印が求める「損益分岐点」となる。

上部の    部分が「利益」となる。

 

2.2.5 固定費と変動費

前にも述べたとおり、費用には二つの性格があるといえる。わかり易くいえば売上に関係ない費用とある費用である。パチンコ店が「開店休業」ならどうだろう。店を開き、従業員を配置し、パチンコ機械をならべていても、お客が誰もこない状態ではその店は閑古鳥が鳴いているとよくいえる。

売上は0ですが従業員の給料を支うことになりますし、パチンコ機械の減価償却もしなければなりません。そのほか地代とか家賃とかも支払うことになる。これらの費用は全部固定費となります。この反対にいつもお客が満員の店では引換品もドンドン必要になりこれを補充するため仕入代(変動費)がかかる。このように売上高と無関係な費用と売上高に比例して増減する部分の二つの性格があることがわかる。さて、話を本題にもどして、

造船業も商売(企業)であるから費用がかかる。その費用はいろいろ種類が多く、また流動的なものがあり簡単に表現することはむずかしいが、代表的なものを変動費と固定費に分けてみると、78頁の図のようなものがある。左図は変動費、右図は固定費である。

変動費には、船を造るための鋼材、パイプ、型鋼など、購入品は、主機関、シャフト、プロペラ、アンカー、チエンなど、またいろいろな艤装品がある。また、外註費や下請に支払う賃金などがある。工事に使用される、電力、ガス、酸素、アセチレン、水張りテスト用の水などいずれも変動費となる。

固定費は、前にも述べたとおり、売上に関係ない費用だから、地代、および、事務所、工場の建物、クレーン、引揚船台、ウインチ、などの設備の減価償却費、事務員などの給料は代表的なものである。一般の製造費の固定費・変動費の分類を79頁の表に示す。

 

 

 

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