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(8) 事前検討

工事の円滑な遂行と完成した後の優劣は、工事開始後の作業管理および工作技能にもよるが、その大半は工事方針を決定する時点での事前検討の深さに左右される。それ程、この事前検討は重要なウェイトを占めるものであり、これは工事担当者の積極的な努力と卓越した力量、工事に対する正確な見通しが要求される。

(a) 船殻工事の事前検討項目

・工場の設備に合った最も有効なブロック分割を行う。

・図面検討を行い、部材の大きさ、接手の位置、加工された部材の運搬先を決める。

・カッティングプラン(CP)により材料の歩留り(組合せ)、加工系列の検討および入庫、出庫の時期を明確にする。

・部材精度、組立精度、船体形状を確保するための管理ポイントを明確にし、各ステージでの基準値を決める。

・溶接の施工方法および溶接作業者の資格を明確にする。(品質の確保)

・加工する部材の系列を明確にしカッティングプランにフィードバックする。

・ブロックの組立方法や溶接方法を検討して組立要領を作成する。

・ブロックのストレージを検討し地上艤装工事場所の良否や運搬先を明確にする。

・足場の架設、解体方法を検討する。

・進水方法を決め盤木配置を検討する。

・各ステージの工数の山積を検討し、加工外注の範囲を決めると共に作業員の配員を決定する。

(b) 艤装工事の事前検討項目

・建造仕様書またはこれにかわる基本図等により艤装諸装置の諸元について検討する。

・船殻構造、特にブロック配置図によりブロック分割、組立要領、日程などを十分に調査する。

・各艤装装置を、船殻ブロック分割を考えて区画別配置に置き換える。

・区画別配置の概要ができたならば、艤装工程と船殻工程との関連および艤装工程順序を考える。

・艤装機器の仕様、メーカー等を調べ、その特性および艤装工事の主要節点を把握する。

・艤装機器、艤装品の入手時期を調べ、入手搭載の時期およびそのときの姿を予め明確にしておく。

・各装置でユニットにできるものを十分に調べ、少しでも多くのユニット化を考える。

 

 

 

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