第4章 QCとは
4.1 QCとは
最近、QCサークルという言葉を耳にする。
QCとは、品質管理(QC=Quality Control)の略字である。これは、アメリカにおいて発展した品質管理の手法で、我が国にこの新しい手法と概念が導入されたのは、第2次世界大戦以降であるといわれている。
戦後、我が国はすばらしい発展をとげ、従来粗悪の代表のようにいわれていた日本製品の品質も世界市場において高い評価を得るようになった。これは各企業での品質に対する認識が高まり、品質管理を的確にとられたためだといえる。
この発展は、各企業が導入した品質管理の手法と体制が大きな役割をしたといわれている。日本の「QCサークル活動は世界各国がまねのできないほどすばらしいものである」と品質管理の世界的権威者であるJ.M.シュラン博士が激賞している。
また「日本は世界における品質のリーダーシップの道を突進するであろう」ともいわれている。
QCサークルとは、(財)日本科学技術連名の「QCサークル綱領」によれば
QCサークルとは
同じ職場内で品質管理活動を自主的に行う小グループである。
この小グループは
全社的品質管理活動の一環として自己啓発、相互啓発を行いQC手法を活用して職場の管理、改善を継続的に全員参加で行う。
QCサークルの活動の基本理念
全社的品質管理活動の一環として行うQCサークル活動の基本理念は、
ア) 企業の体質改善、発展に寄与する。
イ) 人間性を尊重して、生きがいのある明るい職場をつくる。
ウ) 人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出す。
とQCサークルの目的・ねらい
ア) 同じ職場の仲間が勉強し、自己啓発をする。
イ) 会社の方針を考えて、職場の日常の身近な諸問題についてメンバーが協力し、品質管理的な考え方、やさしい手法を活用して、自発的に改善改良を進めてゆく。
ウ) 職場の共通する問題を取り上げて、お互いに協力してQC手法を活用し、品質を管理状態にする。
エ) 職場内の仕事をより効果的にするために、仲間といっしょに考え、具体的に活動する。