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運搬の原理

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造船所の運搬形式にはいろいろな方式が考えられているが、小組立くらいまではコンベヤ式か、背の低いホイスト形式のものがよく、船台えの積込みは、門型か、天井走行か、旋回式のジブ・クレーンがよい。この門型、天井走行型、ジブ・クレーンにはおのおの一長一短がある。例えば門型や天井走行型は縦レールに沿った縦の方向には便利であるが、レールの外面からの釣り込みは不可能である。

また、門型はレールが簡単ではあるが、屋根のある所では一般に使用できない。こうした意味から、最近の新らしい造船所の行き方としては、加工場即ち屋根が必要な所には天井走行型を、船台上の長さ方向にはゴライアス(門型)を、船台への横からの積込みには走行ジブ・クレーンを船台の両側に配するというのが常識になっている。

 

2.4.5 定盤

鋼船の建造で鋼材の組立、即ち小組立や大組立をするには、丈夫な鋼製の定盤を準備しなければならない。この溶接定盤は、鋼材を格子状に組んで造り、これを水平に地盤に支柱等を立て、コンクリートで固定する。(第2.11図a参照)基礎が貧弱だとブロックの溶接の際に引きつられて曲ってしまって定盤の役に立たない。定盤の良否がその成品の優劣に関係してくるから、その組立てる部材の大きさによって使い分けるようにする。その組立定盤には、格子だけのものと、これに平板を張った型式のものとある。

 

 

 

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