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6. 実海域の試験水域

6-1 試験水域の選定

試験水域は、種種の検討の結果、比較的高い波浪が期待できる神奈川県横須賀市港久里浜沖アシカ島から真方位40度1,500mを中心とする半径1,000mの範囲内の水域とした。(図1. 試験実施予定水域)

 

6-2 試験水域選定の過程

1] 東京湾外の外洋

供試船(しらはま丸)航行区域が限定沿海区域であり神奈川県久里浜港・千葉県金谷港間の航路に就航しているため、東京湾外の外洋では使用できない。

また、他の船舶を検討したが該当船舶が見あたらなかった。

2] 千葉県館山沖合

供試船の母港は、久里浜港(停泊港としている)を使用しているため、千葉県館山湾は距離的に遠く、荒天時における往復の時間と試験品の回収との関係から試験海域として適当でないと判断された。

3] 金田湾内について

金田湾内は、暗礁、浅瀬が多く、試験課題である30分間の漂流試験には危険がある。また、外航大型貨物船等の変針点で、パイロットの乗下船の場所になっているのことから試験海域としては適当ではないと判断された。

4] 久里浜港沖合(海上交通安全法適用海域)

港外の本船航路筋(浦賀水道)外からアシカ島沖合にかけて南西風の荒天時には、経験的にも高い波が期待できる。このような状況下、少し横須賀側に入れば比較的平穏な海域となるため試験終了後の試験品及び海上試験員(シュータへの降下試験員)の回収も容易である。

本船の船長にあっては、試験水域が日頃より熟知した海域で、水域の海象、及び港湾事情等にも詳しく、試験を行ううえで適任である。

特に今回の場合、狭い試験水域での試験となるが、本船は、サイドスラスタを備えており、自力で姿勢安定も維持できること、また、地元の大型タグボート2隻の支援が期待できること等を総合的に考慮し、横須賀市久里浜港の沖合いが最適な試験海域とされた。

 

 

 

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