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表5.4.3-1 現行SARTとの比較結果

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5.4.4 評価

ヘリカルアンテナを使用した円偏波SARTは、6項に記載した水槽試験及び実海面試験で最終的な評価を行なったが、ヘリカルアンテナを採用したことにより・アンテナと送受信部の分離が容易となった。この成果はただちに投下式SARTに反映されて、今年度試作した投下式SARTは5.2項に詳細に記載されているように、昨年度試作したものと比較して格段の小型化を図ることができた。さらに、電池を含めた送受信部と分離可能な構造のアンテナであることから実装や形状に柔軟性がある。たとえば、救命胴衣の肩の部分に「柔軟性を有する円偏波ヘリカルアンテナ」を装備して、ポケットに送受信部や電池を装備する「救命胴衣装備型SART」やパーソナルSARTへの応用等のさまざまな展開が可能である。

SARTの普及は迅速な救助捜索活動が可能になり、今後のSARTの発展が期待される。

 

6. 試験

6.1 水槽試験

試作した円偏波アンテナと従来の水平偏波アンテナの視認性に対する波浪の影響を調査するために、東京商船大学の船舶運航性能実験水槽を利用して、各種の波浪環境下における受信電力の変化特性と視認性の取得を行った。

試験に用いたSARTは時間的な制約から小型軽量化を図ったSARTではなく、

・水平偏波SARTは現状のSARTをそのまま使用し、

・円偏波SARTは現状のSARTのアンテナ収納ケース部分を延長したもの

を使用した。

 

6.1.1 水槽試験方法

東京商船大学の船舶運航性能実験水槽を使用して、各種波浪環境下におけるSARTの視認性データを取得した。試験は擬似レーダ波をSARTに連続照射して、SARTからの応答波を受信し、各種波浪環境下で受信電力がどのように変動するのかを確認した。

試験方法の詳細は、資料3に示すとおりである。

 

 

 

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