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(6) 自動離脱方法

投下式SARTの自動離脱方法は、確実に作動すべきであり、各種の船舶搭載設備・機械等に使用されている実績のある方法を参考にするものとして、検討範囲から除外する。

 

5.2.2 基本設計

前項の浮体構造の検討結果に基づき、投下式SARTの基本設計を行った。

本年度は、以下の2方式の投下式SARTを検討した。A方式は水平偏波SARTを使用するものであり、B方式は円偏波SARTを使用するものである。

(1) A方式浮体

1] 構造

浮体は、フロート及び支柱ともに充気式とし、頂部に水平偏波方式SARTを取付け、下端に保管ケースを兼ねたウェートを取付けた構造である。保管時は浮体支柱を折り畳んで、SARTと充気装置とともに保管ケース内に収納する。海水中に投下されると、折り畳まれた浮体にボンベから気体が充気され、展張するものである。なお、SARTは水平偏波方式のアンテナおよび制御装置が一体となっている。

2] 性能仕様

全長:約1.6m

質量:約5.8kg

浮力:約170N

フロート外径:φ300mm

フロートおよび支柱:充気式構造、ナイロン片面ウレタン引布(380g/m2タイプ)

適用アンテナ:水平偏波方式

3] 昨年度試作からの改良点

・吃水面をφ150mmからφ300mmに大きくして、波と浮体の追従性をよくして、海面からの高さの変化を極力少なくした。

・収納ケースを丸型から角型に変更し、容積を約12リットル(φ320mm×h150mm)から約4.2リットル(□200mm×h106mm)に低減するとともに、質量を約12kgから5.8kgに軽量化した。

・浮体布材質の厚みを増すとともに、充気内圧を高め、支柱の剛性を増し、風浪等による支柱の屈曲を防止した。

 

 

 

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