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83MHzと113MHzにノイズが発生している。制御室における計測では、それらのノイズが顕著でないことから機関室より発生しているものと思われるが、113MHzのノイズは参考限度値を僅かに超える程度である。

図10-19に155MHz〜165MHz帯のQP検波スペクトルを示す。図中には限度値を付した。モニタ・ディスプレイ等のON/OFFやアンテナの設置位置等かち判定し、限度値を超えるノイズを放射した機器名を図中に示した。記入外のノイズは機関総合監視盤からのものと考えられる。

 

10-4-3-3 200MHz〜1.1GHz帯の電界強度

200MHz〜1.1GHz帯のピーク値検波スペクトル例を図10-20に示す。

図中には参考として限度値(54dB)を付した。

420MHzに参考限度値を超えるノイズが計測されている。他の計測例の420MHzにノイズが現れていないこと及び高調波計測装置にもないため、機関総合監視盤からのノイズと考えられる。

400MHz〜470MHz帯のQP検波スペクトル例を図10-21に示す。各図には、垂直偏波4方向(船首、右舷、船尾、左舷)の電界強度が示されている。

限度値を超えるノイズはなっかたが、(a)の462.5MHzにバンド幅の広いノイズが計測されている。計測装置には、その周波数帯のノイズが無いことやアンテナの位置や方向から判断して、機関総合監視盤からのノイズと考えられる。

 

10-4-4 考察

計測機器からのノイズを考慮すれば、機関室及び制御室は比較的、良好な電磁環境である。航行及び離接岸中は車両甲板以下のデッキのドアに旋錠が行われ、乗員のみしか出入りができない状況にあり、その密閉性やブリッジとの距離を考慮した場合、ブリッジへの空間伝搬は殆どないもと思われる。ただし、電源ラインにより、全ての区画と繋がっているが、本実船計測では電源ラインから伝わるノイズの周波数帯と減衰を明確にすることはできなかった。また、機器間の相互干渉等のシステム雑音に関するデータは得られなかった。

 

 

 

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