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1月17日は「防災とボランティアの日」

消防庁防災課

 

1 「防災とボランティアの日」の制定経過

大規模な災害が発生した場合には、行政機関のみで被災地における多様なニーズに対応することは困難であり、被災者一人ひとりにきめ細かな配慮をするためには、柔軟かつ機動的なボランティアの役割が重要です。

我が国においては、災害時におけるボランティア活動の重要性については、雲仙岳噴火災害や北海道南西沖地震等の際にも知られていましたが、阪神・淡路大震災で多くのボランティアの活躍により、国民の関心が大きく高まりました。

このような状況等を背景として、平成7年12月、政府、地方公共団体等防災関係諸機関をはじめ広く国民が、災害時におけるボランティア活動及び自主的な防災活動についての認識を深めるとともに、災害への備えの充実強化を図ることを目的として、「防災とボランティアの日」及び「防災とボランティア週間」を創設することが閣議了解されました。

 

2 「防災とボランティア週間」の取り組み等

「防災とボランティアの日」は毎年1月17日、「防災とボランティア週間」は1月15日から1月21日までとされ、防災関係諸機関は、この週間において、災害時におけるボランティア活動及び自主的な防災活動の普及のための講演会、講習会、展示会等の行事を全国的に実施するものとされています。

平成11年度(平成12年1月)の「防災とボランティア週間」中、地方公共団体においては、41都道府県、619市町村が各種の行事を実施しました。

消防庁では、本年1月17日神戸市で開催される「1・17ひょうごメモリアルウォーク」事業にて、自主防災組織の活動等の展示を行う予定です。

 

3 近年発生した災害におけるボランティア活動

「防災とボランティア週間」中の各種取り組みや阪神・淡路大震災の経験と教訓は、平成9年1月に発生したナホトカ号流出油災害、平成11年6月〜7月梅雨前線豪雨災害、また、最近では東海地方を中心とした豪雨災害や鳥取県西部地震災害においての様々なボランティア活動に着実に生かされています。

具体的には、ナホトカ号流出油災害では、県内外からボランティアが駆けつけ、厳しい気候条件の中、ひしゃくや竹へら等を用いた手作業を中心とする油回収作業等に従事しました。発災後、4ヶ月の間に活動したボランティアの数は、延べ約28万人に上りました。

また、平成11年6月〜7月梅雨前線豪雨災害では、災害ボランティア本部が設置され、その期間中に920名のボランティアが土砂の除去や家屋の清掃等の復旧活動を実施しました。さらに、平成12年9月の東海地方を中心とした豪雨災害においても、多くのボランティアが、発生直後から被災住民からの様々なニーズに対応するため復旧活動を行いました。その中でも、とりわけ個人の住居での清掃活動や家財道具の搬出活動は早期の復旧・復興に寄与しました。

 

4 おわりに

本年2001年を「国際ボランティア年」とする決議が平成9年度に行われ、国際的にもボランティア活動そのものの重要性を訴える機運が高まっています。今後とも、防災関係諸機関等が協力して、災害時におけるボランティア活動や自主的な防災活動の重要性に対する地域住民の認識を一層深め、災害への備えの充実強化を図るとともに、地域住民に身近な普及啓発活動等を積極的に進めていただくようお願いします。

 

 

 

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