日本財団 図書館


ふるさと防火委員会

幼年消防クラブの子どもたちとともに火の用心

大分県・東国東郡少年婦人防火委員会

 

011-1.gif

 

東国東広域連合消防本部は、大分県の北東部に位置する国東半島のおおむね東側半分とその北方約6キロメートルの周防灘に浮かぶ姫島を包含する地域であり、東国東郡の5町村から構成され、面積は約324平方メートルで、人口は約3万9千人となっています。

瀬戸内海国立公園、国東半島県立公園に指定され、青い海、白砂青松の美しい海岸線と「六郷満山」の仏教文化が数多く残されていることから「仏の里くにさき」と呼ばれています。

東国東広域連合消防本部の消防体制は、1本部1署、4出張所、職員86名です。

昭和59年度に「幼年消防婦人消防大分県大会」が開催され、この大会を契機に保育園、幼稚園に幼年消防クラブを結成し、今では13クラブでクラブ員は645名となっています。

幼年消防クラブは、何にでも興味を持ちはじめた幼年期の子どもたちにマッチやライターの小さな火が家や山を焼くような大きな火と同一のものであることをよく理解させ、火の大切なことや火の取扱いを間違えたときの恐ろしさを教え、火あそびによる火災の防止を図ろうというものです。また、消防車や救急車がどんな仕事をしているのかを理解してもらうことは、社会のしくみを知ることにもなります。

クラブでは保護者の協力や老人クラブの参加も得て、鼓笛演奏を披露しながら地域ぐるみの防火パレードを行います。解散前には軽可搬ポンプを使って放水し、割れた鈴から防火標語のたれ幕が下がると、大きな声で読みあげ「火の用心」を誓います。

夏と冬に開かれる防火教室では、花火の正しい遊び方や「消防署はなぜあるの?」「火あそびはやめよう。」「火事を見つけたら?」等を学びます。そしてアニメ上映や毎回違うアトラクションで子どもたちは大喜びです。

テレビでお馴染みのストラックアウト。ベニヤで作った数字ボードをガムテープで裏側から貼りつけ、ドッジボールで落とします。また、ロープで縄梯子を作り救助訓練用の高塀に登った子どもたちは救助幕めがけて飛び降ります。

滑車で吊るしたブランコの座席に乗って、高塀の上からのロープ渡過にも挑戦しました。

破れにくい紙に「火の用心」と印刷し、針金で作った輪に貼りつけた金魚すくいやロープで区画した迷路あそびでは、「火の用心」の4つのスタンプを集めてから脱出します。直径1メートルもある大きなシャボン玉や結婚式場から借りたシャボン玉製造機によるシャボン玉あそびや段ボールの大きなクジラや魚の缶詰めを釣った大爆笑のお魚つりゲーム。ポニーやひつじや山羊に触れ、乗ったり、エサをあげたりのふれあい動物園では、かわいいヒヨコをプレゼントしました。

「飛ばした人も拾った人も火の用心。子どもたちとともに火の用心をしましょう。」というメッセージをつけた「風船郵便」等々。

幼年消防クラブの活動は、子どもたちの夢を乗せて大空に放たれた風船のように自由に飛び回り、子どもたちが素直な気持ちで興味を持てる「あそび」の中から心を開かせ、やがて子どもたちを生き生きと伸びやかにし、基本的な生活習慣や道徳性を芽生えさせています。これからも子どもたちの健全な成長と、火あそびのない無火災、無災害を願ってやみません。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION