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ベラー先生は『徳川時代の宗教』のなかで、宗教を定義して「究極的関心にかんする人間の態度と行為」といわれていますが、その宗教的なるもの、普遍的なるものを求道しかつ実践した梅岩の学問と思想を、現在のわれわれが発展的に継承するためには、個と普遍、個人と世界、この両者の中間項をしっかりとみつめて、山川・草木・鳥獣を含めた自然と人間、人間相互の新しい社会環境を構築してゆくことが肝要です。

国連は一九四八年の十二月十日、第三回総会で「世界人権宣言」を採択し、その宣言を内実化するために、一九六六年十二月の第二十一回総会で決定された「国際人権規約」をはじめとする二十三の人権にかんする国際法をつぎつぎに制定してきました。そして一九九四年の第四十九回総会で、一九九五年から二〇〇四年までを、「人権教育のための国連十年」とすることを決議し、その「行動計画」を報告しました。その「行動計画」のなかで「universal culture of human rights」という言葉が使われ、「人権という普遍的文化」と訳されました。こうして世界の多くの人びとの間に「人権文化」という言葉がひろまりました。

 

 

 

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