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増加したボランティアの人々は、そのほとんどが六十歳以上であり、二十五歳以下ではわずかな増加に留まっています。そして若年層のボランティアに関しては、学校からの要請で活動に参加する場合があり、卒業後の活動参加は減っています。

社会活動への参加と慈善団体への献金が全体的に低下していることと同じくらい悲しいのは、社会全般に対する信用が低くなっていることでしょう。一九六〇年以降、地方や中央など様々なレベルの政府に対する人々の信用度が低くなっていることに、それほどの驚きは感じません。しかし、「大多数の人は信用できる」と感じる人の数が急激に減っていることには驚きを隠せません。多くの研究で明らかになっているのは、社会全般に対する信用度―つまり他人を正直だと思う度合いは、その社会の品位や秩序の程度と相関関係にあるということです。ですからアメリカ社会で信用度が低下していることは、私たちにとって辛いものがあります。社会全般への信用の低下とともに、それを裏付けるように、一九六〇年から一九八○年において犯罪件数がうなぎ登りになっています。その後、件数は横這いになり、多少の減少となっていますが、その背景には警察や私的な警備、刑務所、弁護士、判事などに莫大なお金が使われているという事実があります。

 

 

 

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