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上田 梅岩の学問は後に心学と呼ばれるようになるのですが、本質は心を重視する、天の心、人の心を重視する。私が大変感銘を受けたのは、梅岩が「心の発明」という言葉を使っていることです。普通、私たちが発明と言いますと、新しい何かをつくるという物の世界です。そうではなくて心を発明する、心の本質を知るということだと思います。これは今の私たちがすっかり忘れてしまったことであり、心の啓発と言えばいいでしょうか。手島堵庵先生、中澤道二先生、柴田鳩翁先生も、本心、本当の心を発明するということを説いておられます。

ここで稲盛さんに梅岩から大いに学ぶべきものがあるということにあわせて、梅岩の教えを今後生かすために、なぜあれほど一時盛んだった心学が衰退していったのかということとも絡めて、先ほどのお話の続きとしてご発言いただきたいと思います。

 

 

 

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