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目的と手段を取り違える近代化の危険性

日本もアメリカも近代化の結果生じた、しかもどの近代社会もまだ解決したことのない問題に直面しています。日本にもアメリカにもこの解決策は簡単に見つかりません。両国の社会は国家の意味、あるいはその意味の欠如の問題に取り組みながら、ともに経済成長を追求してきました。しかし、近代化そのものの基本的な前提が何かということを考えなければ、そして特に、いい社会を達成するための手段である経済成長を目的と勘違いしてしまう傾向、すなわち他のすべてのものを犠牲にしても達成すべき目的だと考えてしまう傾向を問題にしなければ、私たちは問題解決の最初の一歩も踏み出せないでしょう。

すでにお話ししましたように、『徳川時代の宗教』の中で、富と力の絶え間ない蓄積そのものはいいことであると仮定して、私は近代化の理論で道をそれてしまいました。また、他の意見の抑制を受けない富と力の蓄積からは、いい社会は生まれないどころか、むしろ発展しうるどの社会にも必要な条件を害してしまうことに気づきませんでした。

 

 

 

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