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■あとがき■

 

◆…今年は、丹波の生んだ思想家で石門心学の開祖である石田梅岩先生が、京都車屋町御池上ル東側で心学講席を開講してちょうど二七〇年になります。これを記念して、地元・亀岡市や京都市でフォーラムやシンポジウムがもたれました。"丹の街"では、地元からの発信をテーマに特集をくみました。

◆…九月二十四日、梅岩先生が亡くなって二百五十五年目の墓前祭が、晴天にめぐまれ、亀岡市東別院町東掛の生家でとり行なわれました。ついで、「ガレリアかめおか」内の心学講舎で「梅岩フォーラム」がもたれました。これは、かつて、梅岩先生が、通常の講釈とは別に月三回門人たちを集めて行なった「月次会(つきなみえ)」にちなんだものです。

◆…10月15日には、「心学開講二七〇年記念シンポジウム」が、元ハーバード大学教授のR・N・ベラー氏を迎えて、国立京都国際会館メインホールで開催されました。当初、四〜五百人程度とみこんでいた参加者が、いざフタを開けると千三百人もあって、主催者側をビックリさせました。

◆…いよいよ二十世紀もあますことわずかとなりました。"丹の街"のエリア内の博物館や資料館、その他の施設で、力の入った企画展がつぎつぎに開催され、多くの人の関心をよびました。亀岡市文化資料館では、7月29日から10月1日まで、市制45周年・開館15周年・第30回企画展として『農具たちの同窓会』というテーマで、かつての人力による農具を一堂に集めての特別企画展がもたれ好評でした。写真ページで紹介しました。

◆…かつて平安時代から江戸後期にかけ、船井郡八木町氷所から京の御所へ、夏季に連日氷を献上していました。当時としては大事業で、途中、保津川の谷に転落して死者も出たといわれています。(社)船井青年会議所(吉田佳雄理事長)では、この"氷の献上"を再現して、地域の文化・歴史を掘り起こし、町づくりにつなごうと、この夏、「平成の氷の献上」を企画し、ぶっつけ本番で実行に移しました。青年ならではのユニークでさわやかな快挙でした。さっそく、<祭り>のぺージに「氷室の氷祭り」と題して紹介しました。

◆…あとわずかで20世紀は終りです。47号を梅岩先生で飾り、今世紀中に出せたことを感謝します。昭和五十九年末の創刊から十六年間頑張ってこられたのも、すべて多くの皆さまのご協力の賜物です。今後ともどうぞよろしくお願いします。21世紀が素晴しい世紀でありますようにと、心から祈りたい気持ちでいっぱいです。

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