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私の意見

二十一世紀の町づくり

 

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大槻芳嵩

(株)そのべまちづくり工房 代表取締役

 

平成十年に制定された「中心市街地活性化法」に基づき、園部町では今年四月、行政、商業者、商工会が共同出資して「(株)そのべまちづくり工房」を設立した。現在、TMOの認定を受けるため活動中である。TMOとは、様ざまな企業や団体、個人が参加し、町づくりの運営を総合的に調整、プロデュースする機関で、中心市街地全体の活性化のための計画を作成し推進する役目を負う。

今までも、商工会や商店街で、町づくりに取り組んできた。先進地の視察等を通じ、すばらしい意見や考え方も聞いてきた。しかしこれまでは、自らの力で実行することなく、リスクを負うことをしなかった。新らしい二十一世紀を目前にした今、このカベを突きやぶり、一歩前進する最後のチャンスが、このTMOだと認識している。

よく、「心の時代」「ふれ合い」「豊かで住みよい町」などと抽象的に言う。しかしそれをいざ具体的な形にするとなると大変である。たとえば、大きなドーム球場をつくるとする。中で何が行なわれるかによって、満員になるか、ならないかが決まる。ドーム自体は、人をよばない。町づくりも同じである。ハードも大切だが、中身つまりソフトが重要である。それを考え、つくりあげるのは、その地に住む住民自身だと思う。

今一つ、町づくりに重要な部分がある。それは、自分達が住んでいる町を、どれだけ知り、理解しているか?と言うことである。知らなくては町づくりは出来ない。再発見すべきである、いろいろな個人やサークルとコンタクトする事により、客観的に自らが見えてくる。また、CATV、マルチメディア館等々をもっと積極的に利用、活用し、町のよさや特徴をつかみ、発信し、それらを中心市街地にリンクさせ、生かしていく事である。そうすれば、構想の全体像が具体的に見えてくるように思う。それには何よりも、地域住民一人ひとりの協力と理解が大切であると考える。

 

 

 

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