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2. 宮崎県下主要港湾の将来像と役割分担

 

(1) 港湾整備における各港湾の位置づけ

1] 細島港

細島港は古くから海上交通の要衝として、また、日向延岡地区新産業都市の中核港として重要な役割を果たしてきた。太平洋に直接面する細島港は、近畿、中国、四国、北部九州と東南アジアをつなぐ航路の経由地になっているため、輸入ではFIRSTPORT、輸出ではLASTPORTとして機能する港である。1993年に釜山港との間に定期コンテナ航路が開設されて以降、神戸航路、台湾航路が次々に開設され、1999年のコンテナ貨物量は25,000TEUを突破し、九州では北九州港、博多港に次いで第3位の取扱量となっている。また、2000年にはガントリークレーンの新設と併せてコンテナターミナルが増設された。

こうしたことから、細島港は、「『九州の扇の要』に位置する、国際貿易の拠点」と位置づけられている。

 

2] 宮崎港

宮崎港は、背後には人口30万人の宮崎市を控え、高速道路や空港と直結する南九州の交通の要衝にある。1990年に大阪とを結ぶフェリーが就航して以来、定期航路網も年々充実し、県内港湾貨物量の50%強を取扱うまでになっている。また、「宮崎・日南海岸リゾート構想」の一環として、マリーナ、人工ビーチ等の整備が進められ、国際観光船バースの整備もされている。

こうしたことから、宮崎港は、「南九州の物流拠点」と位置づけられ、内貿複合一貫輸送の基地として、南九州の物流拠点港を目指すとされている。また、ウォーターフロントの整備で魅力を増す、賑わいある親水空間を持った港としても期待されている。

 

3] 油津港

油津港は、古くから天然の良港として知られるが、1952年に重要港湾の指定を受けて以降、背後圏のニーズに対応するための港湾整備が進められてきた。98年には水深10mおよび水深12mの大型岸壁が東地区で供用を開始され、45,000トン級の大型チップ船が入港を開始し、99年12月の定期RORO船の就航により、取扱貨物量は大幅に増加した。、2001年1月には、さらに韓国との間に外貿定期コンテナ航路が開設された。

こうしたことから、油津港は「県南地域の産業振興の拠点」と位置づけられ、取扱貨物量の大幅な増加が期待されている。

 

(2) 役割分担の考え方

1] 国際物流における方向性

国際海上物流は、バルク船やタンカー等による不定期船輸送と主にコンテナ船による定期船輸送に大別されるが、後者については全国各地の港湾において定期航路の誘致活動が活発である。九州においても、各県の1〜2港に定期航路が開設されており、各港湾間の競合関係が強まっている。

 

 

 

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