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6. 輸出入コンテナ貨物の荷主の細島港利用促進と港湾物流機能の強化

 

(1) 国際物流における近年の動向

○海外からの輸入品は需要地に最も近い港湾で"分散陸揚げ"

海外からの輸入品は、日本国内の陸送コストが高いこともあり、需要地に最も近い港湾で"分散陸揚げ"されている。

 

【大手総合電機メーカーの物流子会社の事例】(B社)

・海外からの輸入品は、従来は当該商品を生産する国内工場に隣接した配送センターを経由する形態であったが、現在は、消費地に最も近い港湾で陸揚げし、直接その地域の物流拠点に入庫している。

 

【大手総合商社の事例】(E社)

・海外からの輸入における利用港湾は、消費地に近いところを選定する。輸出の場合は、スピードが要求されるため、少数の質の高い港湾に集約されるが、輸入の場合の利用港湾は、分散化する傾向にある。

 

【大手物流業者の事例】(Q社)

・海外からの輸入品は、日本国内の陸送コストが高いこともあり、普通は、需要地に最も近い港湾で陸揚げする。

 

○アジアからの輸入品の流通加工はアジア現地で実施した上で輸入

首都圏を地盤とする物流業者では、アパレル等は中国からの輸入が多いが、検針や流通加工は、日本国内で実施するとコストが多くかかるため、東南アジアで実施している。

 

【首都圏を地盤とする物流業者の事例】(P社)

・首都圏を基盤として、主に食品・インテリア・アパレル・電子部品の企業間取引を取り扱っている。荷主の海外進出に合わせて海外展開もしており、東南アジアに物流子会社を有し、主にアパレル・電子部品を取り扱っている。

・アパレル等は中国からの輸入が多いが、検針や流通加工は、日本国内で実施するとコストが多くかかるため、東南アジアで実施している。

・輸入品の陸揚げ港湾の選択は大手荷主は自社で行い、中小荷主の場合は当社が行っている。当社が決める場合は、運賃とスケジュールで決める。

 

 

 

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