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はしがき

 

本報告書は、当センターが『日本財団』の平成11年度から2ヵ年にわたる助成事業として実施した「奄美大島群島の海上交通ネットワークシステムの確立に関する調査研究」の平成12年度研究成果を最終報告書としてとりまとめたものであります。

奄美大島群島においては、人口の減少や産業の停滞等の大きな問題を抱えるとともに、道路整備等を含めた交通体系の脆弱さとが相俟って、島民の生活水準は本土と比較して極めて低い状況にあります。

さらに、奄美大島の南部地域では、加計呂麻島、与路島、請島といった離島の中に離島をかかえていることなどから、航路を含む交通ネットワークシステムの構築は、地域産業の発展や、地域住民の利便性向上を図る上で重要な課題であると言えます。

本調査では、奄美大島全体と南部の加計呂麻地域における、交通ネットワークシステム整備のあり方についての方向性を探るとともに、交通体系と地域産業の一体的な整備のあり方を明らかにすることを目的として実施いたしました。

このため、昨年度は、本土と奄美大島を結ぶ航路利用者のアンケート調査、空路利用者アンケート調査、奄美大島を訪れる観光客アンケート調査及び、加計呂麻地域を就航する瀬戸内町営定期船の利用者アンケート調査を実施し、現状と課題を明らかにしました。

本年度は、昨年度の調査結果を踏まえ、瀬戸内町の町民に対するアンケート調査、東京・大阪・福岡・鹿児島の住民に対する観光ニーズを把握するためのアンケート調査、旅行代理店等に対する奄美大島の観光ポテンシャルについてのヒアリング調査及び、加計呂麻島と奄美大島本島との架橋に関する検討を行い、諸方策を提言いたしました。

本委員会で提言されました方策につきまして、更に地元で協議して具体化していただくことを切望する次第です。

おわりになりましたが、本調査研究を取りまとめるにあたって終始ご指導、ご協力いただきました鹿児島大学 松本 譲名誉教授をはじめ各委員、関係官公庁並びに調査にご協力いただきました関係者の方々に、改めてお礼を申し上げます。

 

平成13年3月

 

財団法人 九州運輸振興センター

会長 石井幸孝

 

 

 

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