中学校教師のための「和楽器」授業に対応した研修会の開催を下記のとおり実施しましたのでご報告いたします。
「三味線の魅力」研修会・鑑賞会
1. 目的
生徒達は、日頃の生活の中で、日本の伝統音楽と接することも少なく、また伝統楽器に触れる機会も極めて少ない。そこで、選択授業を利用し実際に三味線に触れながら伝統音楽の魅力を味わわせ、日本音楽に対する興味や関心を高めさせたいと考えた。移り変わりの激しい社会と同様に、伝統音楽も様々な形で演奏されるようになっているが、伝統音楽がもつ「奥深さ」「音色の味わい」「余韻」「間の味わい」など、体験を通して日本音楽を感じることが出来ればと思う。
一方和楽器授業の構築もどのように展開していくのか、音楽科教員の意識・技術の向上と研修の場としても設定したい。
2. 日時 平成12年11月13日(月) 13:35〜17:00
3. 場所 世田谷区立弦巻中学校 格技室・体育および教室
4. 主催
世田谷区立中学校音楽教育研究会
ビクター伝統文化振興財団(協力)
日本財団(特別協賛)
5. 研修会・鑑賞会スケジュール
13:35〜14:25 研究授業(公開) 弦巻中学校教諭 高橋みゆき
「長唄」三味線の基礎・基本
3年生選択音楽生徒 22名
14:45〜16:00 演奏家による実演鑑賞
・生徒と「伝の会」とのジョイント演奏
・津軽三味線の演奏 吉田 兄弟
・長唄三味線の演奏 伝の会
16:20〜17:00 研究協議(質疑応答) 世中音研教師
6. 参加人員
世中音研の先生、生徒、弦巻中学校先生、保護者
地域住民、マスコミ他 600名
7. 参加者意見
・迫力のある演奏に圧倒されました。(津軽三味線)
・三味線であんなに楽しい音楽が演奏できるのだなあと思いました。
・三味線の思っていたイメージとちがってびっくりした。
・はじめに物語を話してくれたので楽しめた。(長唄三味線)
・うたと三味線のハーモニーがよかった。
・長唄という理解しにくい物を二人のトークがとてもすばらしく、どんどん自分が興味を持って聞いていたのに気がつきました。
・演奏では本当に舞台が目の前に見える様でした。
・生徒達が生き生きと楽しんで授業をうけていたのが感動でした。
生徒達に楽しんでやってもらうためには、まず先生が楽しんで授業をすることが大切である。(研究授業)
8. 所感
今回の研究授業は先生方に和楽器授業の組み立て方等の授業構築の方向性を示す基調授業であったのではないかと思われる。
また、種類の違う三味線を今一線で活躍している若い演奏家から「生」で聴いたり、解説つきで学んだことは、生徒、先生、保護者および地域住民の方々に伝統音楽の良さを肌で感じさせることが出来たのではないか。
全体としての今回の研修会等へ参加いただいた方々に「和楽器」を知ってもらい、伝統音楽の魅力を再発見していただいたことは大きな収穫であった。
9. 添付資料
研修会・鑑賞会案内状、タイムスケジュール、研究授業レジメ、ダイジェストビデオ
演奏家関係参観者名簿他、アンケート他
支出報告
以上